Yさんは、疲れと肩こりがあると言って、ご来院されました。
お話しが好きなYさんは、普段は施術中もしゃべっているのに、その日は黙ったまま。
いつもと違う様子なので聞いてみると、寝ている時間は長いのだけれど、寝た気がしないと言うのです。
理由は、早起きをしなければならなくて、寝過ごさないように、と電気をつけたまま寝たそうです。
寝坊してはいけない、この気持ちはよくわかります。
でも、これでは疲れが取れないのです。
睡眠について、お話ししますね。
眠る為のホルモン、メラトニンというのがあります。
このメラトニンは、夜暗くなると分泌量が増えて、体温や血圧を下げて睡眠の準備をします。
日中や強い光を浴びると、メラトニンの分泌は減少します。
朝の目覚めをスッキリさせるために、朝日を浴びるといいと言われますが、これはメラトニンの分泌量が減って、生体リズム(体内時計)が調整されるからなのです。
夜、電気をつけているということは、メラトニンの分泌量を減らして、目を覚ましてしまいます。
つまり、睡眠に入りづらくなるということですね。
電気をつけて寝るというのは、長い時間眠っていても、浅い眠りだけになってしまいます。
寝不足と同じことで、疲れが取れませんよね。
睡眠は「どのくらい寝ているか」ではなく「睡眠の質」がとても大切です。
疲れているなぁ、疲れが取れないなぁ、と思う時は、睡眠の質を考えてみてくださいね。
では、睡眠の質を良くするためには、どうしたらいいのでしょうか。
眠りを深くしてくれるハーブがあります。
ラベンダーです。
ラベンダーは、睡眠を深くしてくれる作用があることが、実験でわかっています。
使い方は簡単です。
サシェなど、ラベンダーが入った物を枕元に置いておくだけ。
香りがうすくなったら、もみもみして、香りを出してください。
そのほかに、
ラベンダーのエッセンシャルオイル(精油)を使うのもありますね。
ティッシュペーパーに1滴落とし、枕もとに置いて寝るだけ。
これで深い眠りが得られるので、お疲れも取れやすくなりますよ。
寝ている間に、身体は自分で回復してくれますから、睡眠の質を良くして、身体の疲れをとってくださいね。
睡眠の質を良くしても、身体の疲れがとれない時は、鍼灸施術で身体を温め、眠りやすい身体を作っていけますよ。